2025年12月31日大晦日。今年は酒蔵にとって100年に一度あるか無いかの大変な1年でした。令和の米騒動による食米の高騰につられる形で酒米の値段も高騰。そして食米への作付け変更などによる酒米不足。この米問題をずっとやっていたような1年でした。酒蔵の歴史の中で経験したことの無い事で、日本中の蔵は全てが大変な1年だったと思います。そしてこの問題はまだ2026年も続いていきます。農政の制度も含め大きな転換をしていかないと安定した量と価格を必要とする私達の業界はもう持ちません。
さらに南部美人としてはもう1つ、12月に起こった八戸沖の地震による本社蔵の命である仕込み蔵の土蔵が大きく割れてしまい、この修繕にも頭を悩ませました。しかし、これに対しては日本中、世界中の南部美人ファンの皆さんが飲んで、買って支えてくれて、ファンの皆さんの温かい心と気持ちに心から感謝を申し上げます。優しさに感動した1年でもありました。

また、良い事もたくさんありました。その中の1つがJR東日本の秋のキャンペーン「旅せよ岩手」のポスターに南部美人のhonguraが選ばれて首都圏をはじめたくさんの場所に張られました。多くの蔵見学のお客様も来てくれました。これは本当に素晴らしい事でした。
大変な事の方が圧倒的に多い1年でしたが、長く酒蔵をやっていればそんな時代もあります。良い事も悪い事も全て蔵の歴史の1部として受け入れ、しっかりと2026年に年を越していきたいと思います。1年間応援し続けてくれた皆さん、本当にありがとうございます。
引き続き来年もどうぞよろしくお願いします。良いお年をお迎えください。