南部美人純米吟醸 一吹 ‐いぶき‐

◇地域とつながる日本酒づくりプロジェクト
令和3年7月に、一戸町にある御所野縄文遺跡が世界文化遺産に登録されたのを記念し、新たな特産物を開発するために一戸町にゆかりのある(株)南部美人と一戸町と一戸高校でタッグを組み、一戸町産の米と水で醸したお酒を造る、「地域とつながる日本酒づくりプロジェクト」が令和3年9月より始動しました。
原料米には一戸町産の「いわてっこ」を使用し、その仕込み水は一戸町最高峰である西岳の湧水を使用して醸しております。
このお酒の名称・ラベルデザインは、一戸高校の生徒が手がけた、一戸オリジナルラベルです。
名称、【いぶき】には、一戸町の魅力でもある人の温かさや自然の豊かさを、新たに吹き込む風に乗せて多くの人に届け、今よりも活気にあふれる町になってほしいという願いが込められています。
一戸町、一戸高校の『一』、さらに町として初の試みという『一番』の意味を込めて【一吹】としました。
ラベルには、日が沈み星空が見えてくる夕焼けを背景に、一戸町の自然豊かな風景をモチーフにデザインしました。
原料米 | 一戸町産「いわてっこ」 |
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精米歩合 | 55% |
仕込水 | 西岳の湧水 |
酵母 | M310 |
日本酒度 | -1.9 |
アルコール度数 | 15度 |
酸度 | 1.4 |
一戸高校とラベル作成のウラ側
一戸高校さんとのプロジェクトは、2021年9月から取り組みはじめました。
私も高校生も初めての取り組みで、お互いに悩みながらどのようにこのプロジェクトを進めていくのかを考えることからはじまったのです。
最初は、ラベルのテーマとなるコンセプトを生徒の皆さんに考えていただきましたが、これがまたなかなか決まらず苦戦。
まずは一戸町について知ることが大事だったので、みんなでキーワードを出し合い、一戸町の良いところを考えてもらいました。
そして決まったラベルのコンセプトは、「一戸町の魅力を伝えたい〜皆から愛されるお酒」に。
その後、コンセプトの段階で出してもらったキーワードを元に、みんなが思い描く一戸町のイメージやモチーフをさらに分析し、名称チームとデザインチームに分かれて作業を開始しました。
名称チームは、南部美人の柴田(翔)が担当。
若者らしく「英語の方がかっこいいんじゃない?」や「日本語以外とか調べてみようよ!」とチーム内はとても盛り上がったようです。
デザインチームは、私、綱木が担当。
デザイン制作手順がわからない生徒たちでもわかりやすいように、ざっくりと簡単な絵を描いてみせたり、参考になるデザインを見せたりと様々なことを体験してもらいながら考えをまとめていきました。
後日、みんなの想いをまとめたデザイン案をみてもらったところ、生徒や先生方から
「えっ!自分たちが考えてたことが全部入ってる!すごい!」と好評価をいただき、とてもうれしかったのを憶えています。
実は、このデザイン案には色違い案がありました。
みなさん、どっちにしようかかなり悩みながらディスカッションを続けた末に決めたのが、今のラベルデザインです。
一戸高校の方々と取り組んだこのプロジェクトから生まれたデザインは、一戸の魅力をふんだんに盛り込んだ素敵なラベルとなりました。
今回の経験を生かし次回は、ラベルだけではなく瓶や化粧箱などのデザインにも一緒に取り組みたいと思っています。
(株)南部美人
デザイナー 綱木